からころも
きつつなれにし
つましあれば
はるばるきぬる
たびをしぞおもふ
ー何度も着て身になじんだ唐衣のように長年なれ親しんだ妻を残し、こうして遠く旅をしているわびしさをしみじみと思うー
かきつばたが美しく咲くのを見て、旅の心を詠んだ在原業平の歌です。歌の各句の頭文字を取ると「かきつはた」となる折り句の技法が使われています。
何度も着ることで身に馴染む…まさに紬がそうです。手仕事の極みともいえる紬は着れば着るほど体に馴染み、長く付き合うほどに親しみや愛着が沸くもの。
ファストファッションの対極にあるものです。
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