山笑う

雨のあとの空気が暖かくなり地面がうるおい、草木が勢いを増して芽吹き花が咲き乱 
れる季節になりました。
故郷やどちらを見ても山笑ふ (正岡子規) 
春の季語にある「山笑う」ですが、夏は「山滴る」、秋は「山粧う」、冬は「山眠 る」になります。 
日本人とって山は信仰の対象であり神聖なものですが、一方で季節によって姿を変え
まるで生きているもののように親しみを感じてきたのだと思います。
 都会に住み慌ただしい毎日を過ごす現代人にとって、山は身近なものではないかもしれません。 
しかし、山の恵みを受け心の拠り所としてきた古の人たちの感性は見習いたいもので す。 

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